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ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄

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いちおうルーヴルです(・・;)
初来日のフェルメールの《天文学者》が目玉なのですが、いかんせん51×45cmの小ささ。そして私はフェルメールは好きではない。

holy.png気に入ったのは 
レンブラントの 《聖家族》、または《指物師の家族》 1640年

言われなければ《聖家族》とは気づかないような、たぶん17世紀の普通のオランダの室内が背景。
でも何か神々しい雰囲気を醸し出すのはまさしくレンブラントライトですねぇ。




daidokoro.pngこちらは マルタン・ドロリングの《台所の情景》 1815年
浅学にしてマルタン・ドロリングは(たぶん)初見

正面の大きな窓から差し込む光と、精密に描きこまれた台所の情景。
縫物をしている2人の女性と床に座り込んで遊んだり、お手伝い(?)をする子ども。
いい雰囲気ですね。

この台所は何階にあるのかしら。
アパート形式なのかしら。
いろいろな思いを呼び起こします。


"京都"で"ルーヴル"ですので、けっこう混んでいます。(入場制限がかかるほどではありませんが)
夏休みに入って、子どもたちの姿も多く、音声ガイドを真面目に聞いていると思ったら"コナン"の声の子ども向けのものもあるのでした。

9月27日までです。
おついでがあれば、どうぞ。

ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄

この度、パリのルーヴル美術館のコレクションから厳選された83点を通して、16 世紀から19 世紀半ばまでのヨーロッパ風俗画の展開をたどる「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」を開催いたします。 「風俗画」とは、人々の日常生活の情景を描いた絵画です。そこには、家事にいそしむ召使い、物乞いの少年、つましい食卓につく農民の家族、庭園に集う貴族の男女など、身分や職業を異にする様々な人々の日常がいきいきと描写されています。一方で、風俗画には必ずしもありのままの現実が描かれているわけではありません。日常の装いのなかに、複雑な道徳的・教訓的な意味が込められていることもあります。これらを読み解いていくことも、風俗画ならではの楽しみといえます。 本展には、17世紀オランダを代表する画家、フェルメールの傑作《天文学者》が初来日するほか、ティツィアーノ、レンブラント、ルーベンス、ムリーリョ、ル・ナン兄弟、ヴァトー、ブーシェ、シャルダン、ドラクロワ、ミレーなど、各国・各時代を代表する巨匠たちの名画が一堂に会します。 膨大なコレクションを誇るルーヴル美術館だからこそ実現できる、時代と地域を横断する、かつて例を見ない大規模な風俗画展。ヨーロッパ風俗画の多彩な魅力を、是非ご堪能ください。

展覧会の構成
プロローグⅠ 「すでに、古代において・・・」風俗画の起源

ヨーロッパ美術の歴史において、日々の営みを描く習慣は、はるか古代にさかのぼり、じつに幅広い地域に散見されます。古代における日常生活の描写は、儀式の一場面を表していたり、墓碑を装飾する図像であったりと、多くの場合、宗教的・社会的な目的や用途を担っていました。しかし、古代エジプトでスケッチのために用いられたオストラコン(石灰岩の剥片、陶片)には、何気ない日常の一コマの、みずみずしい描写を見ることもできます。 
 展覧会のプロローグとなるこのセクションでは、古代のエジプト、ギリシャ、そして中東の諸作品における日常的情景の表現に、風俗画の起源を探ります。
 また、古代の風俗描写がのちのヨーロッパ絵画に直接に着想を与えた例として、18世紀後半に新古典主義の端緒を開いたフランスの画家、ジョゼフ=マリー・ヴィアンによる絵画《アモルを売る女》を紹介します。

プロローグⅡ 絵画のジャンル

中世のヨーロッパでは、絵画制作は職人の手仕事と考えられていましたが、ルネサンス期を迎えると、絵画の地位を高めるために、画家は古代史や神話など学識を要する物語を描くべきだとする理論が、イタリアで生まれました。
 この考え方を受け継いだフランス王立絵画彫刻アカデミー(1648年創設)では、人物を中心とした物語場面を描く「歴史画」を頂点に、主題によって絵画を分類する「ジャンル」の理論が展開されていきます。王侯貴族など身分の高い人々を描く「肖像画」は、歴史画に次ぐジャンルとされましたが、一方で、「風景画」は人物を描く歴史画と肖像画には及ばないものとされ、命なき事物を描く「静物画」は、さらに下位に置かれる傾向にありました。そして、本展のテーマである、身近な人々の日常に着想を得た絵画には、決まった呼び名もない時代が長く続いたのです。これが「風俗画」という一つのジャンルとして認められるに至ったのは、18世紀後半から19世紀にかけてのことでした。
 フランスで培われた絵画理論はヨーロッパ各国にも波及します。市民生活を主題にした風俗画が盛んに描かれたオランダでも、理論上で高位を占めたのは歴史画でした。
 このセクションでは、ジャンルの理論の萌芽がみられた17世紀フランスの諸作品によって、歴史画、肖像画、風景画、静物画、風俗画の5つのジャンルを紹介します。

1章 「労働と日々」—商人、働く人々、農民

本章のタイトルは、古代ギリシャの詩人ヘシオドスによる高名な叙事詩、『労働と日々』に由来します。ヘシオドスが、神々から授けられた農耕という仕事に励むことの大切さを吟じたように、労働はあらゆる時代を通じて、人間の日々の営みのなかで最も本質的なものであり、本展が対象とする16世紀から19世紀にかけてのヨーロッパ各国の風俗画においても、常に中心的なテーマのひとつでした。
 商人、農民、職人、召使いの女性、物乞い ― 本章で取り上げる作品には、さまざまな職業に従事する人々の日常の一端を垣間見ることができるでしょう。とはいえ、それらはほぼ例外なく教訓的意味や風刺を担っており、その職業ならではの特質や、制作当時の社会状況を反映しています。
 しかし、19世紀には、レアリスムへと至る流れのなかで、過酷な労働に明け暮れる農夫や職人の動作の力強さや、その尊厳あふれるたたずまいなど、労働そのものを描くことに関心が寄せられるようになっていきます。ドラクロワとミレーの作品は、その好例といえるでしょう。

2章 日常生活の寓意―風俗描写を超えて

「絵画のジャンル」のセクションで見たように、身近な日常生活に着想を得た絵画は、なんらかの教訓的意味を担った物語を描く歴史画とは、一線を画すジャンルとみなされていました。
 しかし、17世紀のオランダ・フランドルの絵画のなかには、聖書や神話の一場面でありながら、無名の人々の日常的情景のように見える作例があります。そこでは、聖人たちや神々の服装、仕草、彼らを取り巻く家具調度などが、画家自身の時代に即して描かれているのです。
 その一方で、トランプに興じる男たちや、客に運勢を告げる女占い師など、日常のささいなエピソードのもとに、賭け事の危険性や詐欺への警告を込めた風俗画には、歴史画のような深い教訓性を読み取ることができます。また、啓蒙の世紀である18世紀には、フランスのグルーズ、イギリスのホガースが、市民階級の人々を主人公とした場面に道徳的メッセージを託すことによって、日常生活の絵画の歴史に新たな局面を開きました。
 本章の作品には、風俗画というジャンルの境界をあらためて考えさせてくれるような表現の数々を見ることができるでしょう。

3章 雅なる情景―日常生活における恋愛遊戯

恋の戯れは、古今東西、あらゆる時代のあらゆる人にとって、ささやかな日常に彩りを添えてくれる営みといえるのではないでしょうか。日々の暮らしに題材を得る風俗画においても、男女の恋愛沙汰は、主要なテーマのひとつでした。
 17世紀のオランダでは、室内でワインを飲み交わしたり、ともに楽器を奏でる男女を主題にした風俗画が、数多く描かれました。こうした情景には、しばしば、節度ある生活の勧めや不道徳な恋愛への警鐘など、道徳的暗示が込められています。
 一方、18世紀のフランスでは、ロココ絵画の巨匠ヴァトーが、緑豊かな自然や庭園のなかに、最新流行の衣服をまとった紳士淑女が集う情景を描き、雅宴画(フェット・ギャラント)と呼ばれる独自のジャンルを生み出しました。ヴァトーに連なるフランスの画家たちが描いた優雅な男女の姿は、恋がもたらす歓びや幸福感にあふれているように見えます。こうした特徴は、ゲインズバラをはじめとするイギリスの画家たちの作例にも見いだすことができるしょう。また、18世紀には、同時代の文学作品における恋の場面に着想を得た作品も、数多く描かれました。

4章 日常生活における自然—田園的・牧歌的風景と風俗的情景

17世紀以降の風景画は、理想的に構築された風景のなかに神話や聖書の登場人物を配した「英雄的風景」と、より素朴な自然描写に基づく「田園的・牧歌的風景」の二つに大別されます。本章が対象とするのは後者の風景画ですが、なかには風俗画と呼べそうなほどに、人間の日々の営みの描写が際立つ作品も見いだされます。その好例といえるのが、「狩猟」をテーマにした風景画です。たとえば、16世紀末にイタリアのボローニャ派を主導したアンニーバレ・カラッチは、雄大な自然の眺望のなかに、獲物を追う人々や従者たちの姿をみごとに溶け込ませました。一方、18世紀フランスの画家パロセルによる象狩りの情景では、風景よりもエキゾチックな狩りの描写が強調されています。また18世紀には、ヴァトー周辺の画家たちによって、狩りの食事 ― 狩猟のあいまに草地に集い、軽食をとる優雅な男女という新たな主題も開拓されました。
 18世紀後半に流行した嵐の風景も、風俗描写を考えるうえで、興味深い題材です。荒れ狂う嵐に立ち向かう農民たちの描写には、自然に対する人間の日常的な戦いを読み取ることができるでしょう。
 一方で、コローを先駆とする19世紀のレアリスムの画家たちの作品では、あるがままの自然の率直な描写に主眼が置かれ、人間の営みは、自然の一部にすぎないものとなっています。

5章 室内の女性―日常生活における女性

女性の日常生活は、男性が大多数を占めた画家と鑑賞者のどちらにとっても、魅力的な主題であったことは想像に難くありません。たとえば、鏡の前で身づくろいをする女性という主題は、16世紀から19世紀を通してヨーロッパ各国で描かれています。こうした作品では、多くの場合、女性たちは鏡のなかの自分にうっとりと見入ったり、化粧をしながら大きく胸をはだけたりと、本来であれば人目に触れることのない姿をさらしています。
 また、東洋趣味が現れた18世紀から19世紀半ばにかけてのフランスでは、イスラムの後宮の美女「オダリスク」のテーマのもとに、官能的な裸身の女性が数多く描かれました。
 一方、17世紀オランダの風俗画には、幼児に授乳したり、子どもたちに読み書きを教えるなど、母としての役割をつとめる女性の姿が見いだされます。当時のオランダ社会では男女の役割分担が重視され、夫には稼ぎ手として家族を扶養することが求められた一方、家計のやりくりから、使用人の監督、子どもたちの養育まで、家政をとりしきることは妻の役割と考えられていました。

6章 アトリエの芸術家

作品制作の場であり、教育の場でもあったアトリエは、そこで多くの時間を過ごす画家たちにとっての日常空間でした。そして、その主である芸術家がひとたび世に認められれば、顧客が集い、作品が売られる社会的で商業的な場にも変貌したのです。もともとは職人的な徒弟制度のもと運営されていたアトリエでしたが、17世紀以降は、一人の画家が自らの想像力と向き合う私的な空間としても存在するようになります。絵筆を手にカンヴァスに向かう画家の周りには、ときに簡素な壁が広がり、ときに画材や日用品が乱雑に置かれていますが、いずれも彼の趣味や生活を反映しています。アトリエ内部の描写は、もしかしたら肖像画以上に、芸術家の個性を伝えてくれるのかもしれません。
 また一方で、18世紀の美術愛好家の室内情景からは、芸術家を支えた人々の暮らしぶりがうかがえます。そして、大きなアトリエともいうべきルーヴル宮のグランド・ギャラリーで模写をする画家たちの営みを描いた作品によって、本展覧会を締めくくりましょう。


国立新美術館 2015年2月21日(土)~6月1日(月)
京都市美術館 2015年6月16日(火)~9月27日(日)




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