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『赤頭巾ちゃん気をつけて』 

今朝の朝日新聞読書面に掲載されたコラム

(思い出す本 忘れない本)『赤頭巾ちゃん気をつけて』 フリーアナウンサー・吉田照美さん
2014年1月19日05時00分
 ◇主人公と同時代の青春時代

 この本を読んだのは都立小岩高校に通っていた3年のとき、忘れもしない大学受験の前日です。その前年、1969年は東大紛争で東大入試が中止になった年。ぼくはこの本の主人公、都立日比谷高校3年の薫くんとほぼ同時代を生きていた。それまでも芥川賞の作品は本屋で買って読んでいましたが、これは初めて主人公に感情移入できた。翌日が受験だというのに面白くてやめられず最後まで読んでしまった。

 東京の裕福な家庭の高3の薫くんの一日の出来事がつづられています。東大を受験しようと思っていたけれど入試が中止になり、さてこれからどう生きるのか、冗舌な文体で「ぼく」の心の内が描かれます。薫くんは大学を受験しないという選択をしますが、ぼくはいくつかの大学を受け、全部落ちて浪人することになりました。

 一浪して早稲田大学に入ったのですが、当時早大は革マル派が席巻していて、授業をボイコットされたり、バリケード封鎖や火炎瓶投げ合いを目の当たりにしたりしました。硬派な怒れる若者が周りにも結構いました。でもぼくはよくわからない状況に右往左往するだけ。ノンポリで、軽薄なアナウンス研究会というサークルで“放送ごっこ”をやっていました。

 『赤頭巾ちゃん気をつけて』に熱狂したぼくは、この衝撃をだれかと語り合いたいとずっと思っていました。ベストセラーになったのでみんな読んでいたと思う。でもこの本についてはだれも語らないような雰囲気が暗黙のうちにできていた。本には「ぼく」「ママ」、幼なじみの「由美」とか出てくるし、女医さんとの色っぽい場面もあったりするし、怒れる若者には甘いという感じがあったのかもしれない。内容は全く甘くないんですけどね。当時周りで話題になっていたのは大江健三郎の小説や高橋和巳の『悲の器』でした。

 ぼくは庄司薫ファンになり、本名の福田章二で執筆した『喪失』、「赤頭巾」に続く薫君シリーズ『さよなら快傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞(きこ)えない』『ぼくの大好きな青髭(ひげ)』も読んだ。次が出るのが待ち遠しかった。エッセー『バクの飼主(かいぬし)めざして』が出た時はサイン会にも行きました。白い墨汁でサインするんです、かっこいいんですよ。

 ぼくが文化放送に入ってまもないころ、ご本人が番組収録で来られていたことがあり、放送をききましたが、決して冗舌ではなかった。あの時はまだ次々と小説を書いてくれるのだと思っていましたが……。また新作小説が読みたいです。

 (新潮文庫・483円、中公文庫・620円)

 構成・加来由子

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 51年生まれ。文化放送「吉田照美 飛べ!サルバドール」出演中。近著に『ラジオマン』(ぴあ)




 父が文藝春秋をとっていて、小学生のころから(活字中毒だったので)「芥川賞受賞作」は必ず誌上で読んでました。
『赤頭巾ちゃん気をつけて』(1969年上期)ももちろん文藝春秋掲載を読んで、これが芥川賞かとびっくりした覚えがあります。
実家を離れてから文藝春秋を読むことはなくなって、芥川賞を読むこともなくなりましたが。

その後、もちろん「赤頭巾」に続く薫君シリーズ『さよなら快傑黒頭巾』『白鳥の歌なんか聞えない』『ぼくの大好きな青髭』の四部作も読みましたが、吉田照美さんより少し年下な分、記憶が曖昧で、「赤頭巾」ってこんな話だったのかなと、再読してみようかなと思った次第。


「東大の入試が無かったから京大に入ったんだよ」と、わざわざ教えてくれた京大のオーバードクターが居ましたっけ。
調査研究で組んだだけの初対面の女子大生に、10年も経ってから言うこと?
この人いつまで引きずってるんだろ?それがそんなにコンプレックスなのか?バッカじゃないの?と思いました。
薫君と同じ年になるのだねぇ。妙なことを思い出してしまった・・・
東大の入試が無かったから・・・今思えば玉突き事故が多く発生していたのでしょうね。(東大→京大→阪大→・・・・)
センター試験どころか共通一次試験もなかった大昔のお話です。

今日はセンター試験2日目。みんな無事に終わりますように!
(息子が大学教員1年生で、もちろん試験監督をしているのですけれど、そちらも無事に終われることを祈ってます。ミスなんか仕出かしたら受験生の皆さんに申し訳ない)←親はいつまでも親(・・;)

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